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スポーツビジネスを変革する「HATTRICK」と8thColorの協業

Before:スポーツ業界内の既存人脈に頼った営業展開で、格闘技や地方チームなどの未開拓領域へのアクセスが限られていた。

After:8thColorの多様な人脈により琉球ゴールデンキングスや相撲部屋など新領域への展開が実現。ARやVR企業との技術提携も可能になった。

バリュエンスホールディングス株式会社のファンクリエイト事業部が運営する「HATTRICK」は、スポーツチームやアスリート、アーティストが活動の中で使用した品々を「メモラビリア」としてオークション形式でファンに提供するサービスです。選手が実際に着用したユニフォームやスパイク、ボールなどに加え、通常であれば破棄コストがかかる横断幕などに価値を見出し、新たな形で循環させる「サーキュレーションデザイン」を実践しています。

現在、186社ものスポーツチームと取引を行うまでに成長したHATTRICKですが、スポーツ業界特有の課題もあるといいます。今回は、HATTRICK事業課の課長である福重瑛貴様に、8thColorとの協業によってどのような効果が生まれているのかを伺いました。

捨てられるはずだった価値をファンと共有する新たな循環モデル

──まず、HATTRICKの事業背景について教えてください。

福重様:HATTRICKは元々、当社代表である坂本のプライベートカンパニーで誕生したサービスです。私は創業メンバーとして社員第1号で入社し、一年半ほど事業運営を経験しました。その後、事業がバリュエンスジャパンに引き継がれ、私もこの会社に転職してきました。 バリュエンスホールディングスには「大切なことにフォーカスしていける人たちを増やす」というミッションがあります。
まさにアスリートは大切なことにフォーカスして生きている人たちであり、そうした価値観に共感したことが、HATTRICKを含めスポーツ事業に乗り出した背景にあります。

──HATTRICKのビジネスモデルについて詳しく教えてください。

福重様:事業内容自体は非常にシンプルで、スポーツチームやアスリート、アーティストの方々が自分たちの競技活動や事業活動に伴って発生した、「不要になったもの」を我々がお預かりして、メモラビリア商材として販売しています。例えば、ユニフォームやスパイク、ボールはもちろん、チームロゴが入ったマンホールをおしゃれなテーブルにアップサイクルするような取り組みも行っています。

利益ではなく、売上の80%をチームに還元しているため、スポーツチームはリスクなく新たな収益源に挑戦できます。私たちは手数料の20%の中で人件費などをまかない、 チーム側の持ち出し費用は一切発生しません。現在は年間700企画ほど手がけており、企画ごとにスポーツチームと連携して進めています。

──顧客開拓はどのように行ってきたのでしょうか?

福重様:スポーツ界は狭い世界で、人脈がとても重要です。テレアポのような営業手法はあまり効果がなく、スポーツチームも限られているので、人脈を大切にしながら営業を進めてきました。現在は186社ほどと取引があります。 営業メンバーも増えてきており、それぞれが個性的で独自の人脈を持っているので、そこからさらに取引先が広がっています。最初の60社ほどは私たちのコアなチームで開拓し、そこから紹介を通じて3倍以上に拡大してきました。

──スポーツ業界での営業活動における難しさはありますか?

福重様:特に他の業態と比べて難しいということはないのですが、「100チームいれば100通りの課題がある」というのが特徴です。通常の営業であれば成功モデルをパッケージ化して展開できますが、スポーツチームの場合はそれが通用しません。そのため、1取引先に対して最低2人以上の担当者をつけ、チームごとに異なるアプローチをしています。これは面白さでもあり難しさでもあります。

営業支援に留まらないサポートが魅力

──8thColorに協業を依頼したきっかけは何だったのでしょうか?

福重様:弊社役員の友人からの紹介がきっかけです。私たちだけで営業できる範囲はある程度やりきった段階だったため、手が届きづらい領域へのアプローチを、高木さんの人脈を通じてサポートしていただくことになりました。ちょうどその頃、格闘技分野への展開を考えていたのですが、高木さんは格闘技業界に強いネットワークをお持ちで、タイミングも非常に良かったです。


また格闘技だけでなく、バスケットボールチームの紹介など、私たちではアクセスが難しかった分野にも力を貸していただいています。 高木さんからのサポートは2年半ほどになりますが、契約書に基づくものというよりも、個人と個人のつながりを大切にされているので、信頼関係の中でコミュニケーションやビジネスが生まれているんだと思います。

──通常の営業支援にとどまらない部分での具体的な成果について教えてください。

福重様:少し変わった例ですが、海外のお客様が日本に来た際に「相撲の朝稽古を見学したい」というご要望がありました。社内では実現が難しく、高木さんに相談したところすぐに相撲部屋を紹介してくださり、見学を実現することができました。

また、ARやVRなどのテクノロジー企業とのマッチングもしていただいています。スポーツチームを直接紹介いただくだけでなく、スポーツ業界に新たなイノベーションをもたらす企業とのつながりを築いていただける点が、高木さんならではだと感じています。 高木さんの大きな強みは、フットワークの軽さです。メッセンジャーやメールでのレスポンスが早く、紹介のタイミングも絶妙です。紹介系のビジネスはスピード感が落ちることが多いのですが、高木さんは「気づけばもう4階にいる※」というくらい、すぐに動いてくださいます。(笑) また、紹介後のフォローアップもしっかりしていただけるので、非常にやりやすいです。

高木さんはスポーツ業界以外にも医療系やテクノロジー系など、幅広い業種に豊富なネットワークを持っていらっしゃいます。多角的なサポートをいただける点も、大きな強みだと感じています。

※バリュエンスホールディングス㈱ 本社の4階会議室

HATTRICKの今後とさらなる協業体制

──今後の展開について教えてください。

福重様:最近力を入れているのが、スポーツチームから発生する廃棄物のアップサイクルです。例えば、試合会場に掲げられる横断幕やプロモーションバナーは、通常1試合や1シーズンで廃棄されてしまいます。これを私たちが預かり、バッグやポーチなど日常的に使えるアイテムに生まれ変わらせています。私たちが行っているのは、価値として見なされていなかったものを価値化することです。例えば、Jリーグの決勝戦で選手が着用したユニフォームを、試合直後に手に入れる機会は以前はありませんでした。そうした機会を作ったのが私たちの出発点です。

今後は、エンターテイメント領域にも注力していきたいと考えています。アーティストやアイドル、Eスポーツ、VTuberなどのコンテンツにも展開していきたいですね。また、リユースやリサイクルといったGX関連のビジネスとの親和性も高いので、そういった方面でも事業を拡大していければと思っています。

──今後の8thColorに期待することはなんですか?

福重様:バリュエンスグループがオーナーを務めるプロダンスチーム「インフィニティ」という別の事業部門があります。高木さんには現在、こちらもご支援いただいています。 インフィニティはパートナーシップを重視しており、様々な企業と協力して成長していく時期にあります。そういう意味では、高木さんのサポートが今後さらに重要になってくると思います。HATTRICKだけでなく、バリュエンス全体としても協力関係を深めていきたいですね

実際に高木さんからは、インフィニティにも3、4社ほどのお客様をご紹介いただき、そのうち1社とは契約が成立しています。このような形で、事業部の枠を超えた支援をいただけるのは非常にありがたいことです。

“現状に満足せずに成長したい方”におすすめでき

──どのような企業に8thColorとの協業をおすすめしますか?

福重様:企業名というよりは、人の姿勢を重要してくれるので、新しいことに挑戦し、「今の状況に満足せずに成長していきたい」という意欲がある人が高木さんとはマッチすると思います。

高木さんは、人とのつながりを何よりも大切にしています。形式的な契約だけにとらわれず、深い信頼関係を築くことを重視されていて、「紹介したから対価を」という発想ではなく、純粋に「良いものを生み出したい」という思いで動かれているんです。だからこそ、価値観を共有できる方とは、より強く、前向きな関係を築いていけると感じています。

HATTRICKの事業も「サーキュレーションデザイン」という理念のもと、廃棄物を価値あるものに変えるという社会的意義も持っています。高木さんとの協業によりこの理念を広げ、新たなビジネスの可能性を探りたいと考えています。

私たちの事業は現時点で競合がほとんどないオンリーワンのサービスですが、それに満足することなく、常に新しい価値創造に挑戦し続けています。高木さんのような、人と人を繋ぐ力を持った方との協業は、そうした挑戦を加速させる重要な要素になっていると感じています。